今回のニュースでは、 抗ミュラー管ホルモン(Anti-Mullerian Hormone, AMH)の機能の簡単な解説とともに、弊社からご提供可能な抗AMH抗体をご紹介いたします。

 

■ 抗ミュラー管ホルモン(Anti-Mullerian Hormone, AMH)とは?
AMHは、卵巣予備能のバイオマーカーとして知られるホルモンです。

卵巣内において発育過程の卵胞である前胞状卵胞から分泌されるホルモンです。卵胞は、卵子を包み込んでいる袋状の細胞の集まりで、卵胞刺激ホルモン(FSH)が卵胞に作用すると排卵が誘発されます。

■ 卵巣予備能バイオマーカーとしてのAMH
血液中のAMHの濃度を測定することで、発育過程の卵胞がどの程度あるのか、つまり残っている卵子の数を推測することができます。

AMHは月経周期に依存しないため、採血によりいつでも測定が可能です。
AMH検査が低い場合、残されている卵子が少ないと推測されます。
また、AMH濃度が非常に低い場合、40歳未満で卵巣機能が低下する早発卵巣不全の可能性も考えられます。AMH検査の数値が高ければ、残されている卵子の数が多いことが推測できます。
一方で、非常に高い濃度のAMHが検出された場合、多嚢胞性卵巣症候群(Polycystic Ovary Syndrome, PCOS)などでみられる排卵障害が疑われます。

AMH濃度は、卵子の数を推測するために用いられますが、卵子の質を調べるためのマーカーではありません。
また、妊娠する可能性を直接調べるためのものでもありません。

■ 循環器疾患バイオマーカーとしてのAMH
AMHの受容体が神経系や肺にも存在することから、卵巣予備能以外にもAMHが機能している可能性が考えられてきました。
数々の研究報告から、AMHが循環器疾患のバイオマーカーとなることが提唱されており、早期閉経の心血管リスクの増加の要因の一つが、血中を循環するAMH濃度の減少である可能性が提唱されています。
<参考文献>
・Anti-Müllerian Hormone Trajectories Are Associated With Cardiovascular Disease in Women: Results From the Doetinchem Cohort Study. de Kat at al., Circulation. 2017
・The association of low ovarian reserve with cardiovascular disease risk: a cross-sectional population-based study. de Kat., Hum Reprod. 2016


■ 弊社取扱い抗AMH抗体

Abcepta社(LINK)ウサギ/ポリクローナル抗体
Medix社(LINK)マウス/モノクローナル抗体
Meridian社(LINK)マウス, ウサギ, ニワトリ/モノクローナル, ポリクローナル抗体 ※ペア抗体情報あり


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